【企画】家庭科ズタボロ男が最高のぬいぐるみを作ってやらあっ!

ある日、私の家に遊びに来た友人「ペロ山」が、私の小学校時代の通信簿を盗み見てこう言った。

f:id:mikota98:20231127154723j:image

「お前、美大生のくせに家庭科1なんだな」

 

…!?なんだと!人の通信簿を勝手に見るな!

 

「縫い物とかさ、玉留め玉結びもできないタイプだろ」

 

確かにできない。玉留め玉結びどころか、針に糸を通すことすらできない。ミシンと高橋名人の違いもわからない。しかし、彼のあまりにも舐めきった発言に、俺の心の中の湯婆婆は怒髪天だった。

 

私「だ~~~ま~~~れ~~~~~~!!!」

f:id:mikota98:20231127142704p:image

私「そんなに言うんだったら、この俺の裁縫テク、見せてやらあっ!!!」

 

ペロ山「こりゃあ面白い小僧だぜ、じゃあ完璧なぬいぐるみを手縫いで作ってもらおう」

私「出来らあっ!!!!!」



ペロ山「だが…。ただ作るだけじゃつまらない。12月のコミティア146で作ったぬいぐるみを販売してみろ」

私「え~!?商品レベルのぬいぐるみを!?」

 

というわけで、ぬいぐるみの作り方どころか、縫い物のノウハウ0の私がぬいぐるみを作ることになってしまった。

 

はじめに

ペロ山からは「一切裁縫に関しての知識を入れるな」と謎の縛りを課されたので、下調べをすることができない。

 

だが察するに、ぬいぐるみとか洋服を作る際には、どうやら「型紙」というのが必要なんでしょ?ハワイで親父に習ったよ。

だからまず、

 

ステップ①!型紙を用意する!

f:id:mikota98:20231127131715j:image

これが俺の型紙だあ〜〜!!!!!

型紙の解釈が合っているのかは置いといて、下手に難しいモチーフを選んでウンチを生成するよりは、簡単で確実な方が良いと思ったので、モチーフはシンプルなものにした。

おれはコイツらを召喚するっ!!!

 

そして

ステップ②!布を買う!

まじで何が必要なのか全くわからないので、手芸屋さんでそれっぽいものをあらかた購入してきた。



まずは布、そして綿、糸、差し目などなど…。

針は私が小学生の時に使っていた裁縫セットがあるのでそちらを使わせて頂く。



無論、ドラゴンである。

 

さて、そうとなればまずは下準備だ。

およそ10年以上ぶりに触れるチャコペンで目安を書き込み、カットしていく。

f:id:mikota98:20231127143238j:image



今回作るのは「ラン〇パック」のぬいぐるみなので、四角にカット。もう大分ランチ〇ックに見えてきたんじゃない?

そして、ここで私の唯一のアドバンテージを解放!!!!

f:id:mikota98:20231127143007p:image

それだけは知ってるぞ!

だから裏地を表にして縫うことにした。ある程度まで縫ったところで裏返し、綿を詰めるのだ。

f:id:mikota98:20231127144641p:image

ついに!!!!

f:id:mikota98:20231127145317p:image

出来たああああ!!!

私の渾身の1作、「ランチ〇ック」のぬいぐるみです!!!!!

え?どうして犬みたいになってるの?変じゃない?だって?

f:id:mikota98:20231127145837p:image

…おっとあぶない。また私の中の湯婆婆が出てきてしまうところでした、あぶないあぶない。

…ていうか結構上手くないですか!?私玉留め玉結びもできなかったのよ!?プロじゃん!普通にプロじゃん!

正直ゴミみたいなぬいぐるみが出来た、みたいなオチも見たかった所はあるがこれはこれでいいんじゃないですか?充分商品として売れるレベルではあるでしょ。

 

だんだん調子あがってきたので、他にも色々作ってみました。

f:id:mikota98:20231127150457j:image

お米のぬいぐるみ

f:id:mikota98:20231127150523j:image

餃子のぬいぐるみ

f:id:mikota98:20231127150539j:image

雪だるまのぬいぐるみ

⤴︎︎︎なんかこれ、修復に失敗したキリストのフレスコ壁画みたいじゃないですか?どういうわけか、私のぬいぐるみは顔が傾くということが分かりました。これほんとはまっすぐ中心に顔をつけたかったんですよ。まあこれはこれでいいか。

 

というわけで、最終的にこんなにぬいぐるみができました!

f:id:mikota98:20231127151541j:image

これらのぬいぐるみを、12/3に東京ビッグサイトで行われるコミティア146で販売したいと思います!

 

サークル名は、

す45a「INUCORO」

でお待ちしております!

 

ぜひお越しくださいませ!

まあ、そんな感じです。

f:id:mikota98:20231127155732p:image

ペロ山「…。」

f:id:mikota98:20231127155745p:image

ペロ山「なんでちんちん?????」

 

おわり

【雑談】虎に襲われた時の話

 

私は過去に様々なアルバイトを経験しており、その中のひとつに「動物園のショップ店員」というものがあった。

 

某市内にある、とある動物園のお土産ショップ。顔をあげればハシビロコウとゼロ距離で目が合うほど閉塞的な店内で私は日銭を稼いでいた。

 

「すみません、彼女に似合う動物のぬいぐるみありますか?」と私に問う客がいれば、

「そうですね、これでもとっときな!」

と店奥に待機させてたヒグマを呼び出し、強烈なパンチを食らわせる。私はこうしてヒグマと共に神のお告げのもとにショップに訪れるカップルを殴り殺していた。そんな日々だった。

 

そしてある日、休園日にも関わらず私はショップに呼び出された。どうやら休園日を利用して、虎が園内に逃げ出した際の避難訓練をするようだ。

 

しかし虎が逃げ出してもトラをトラえるのは飼育員の役目なので、私達ショップ店員の役割は、カップルをうまく餌にしつつ家族連れや小さな子供を避難誘導することである。

 

そしてブザーが園内に鳴り響き、訓練が開始された。

「お知らせいたします。ただいま園内にアムールトラが逃げ出しました。」のアナウンスと共に、私たちは屋外に出向き配置についた。

 

私の担当エリアは虎の檻にかなり近いシマウマエリアの前だった。近くに他の人間はおらず、私はポツンと1人、次の展開を待っていた。

 

しかし、トラが逃げた想定の訓練とはいえ、もちろん本物のトラを放つわけはない。一体どうやって捕獲訓練をするのだろう?と考えていると、後方で突然数人の叫び声がこっちに向かってきた。

 

「トラがシマウマ舎に行ったぞ〜!!!!」

 

シマウマ舎かぁ〜…。

ん?

シマウマ舎って…。

ここざゃん!!!

シマウマ舎ってここじゃん!!!

 

慌てて後ろを振り返ると、

二足歩行のトラの着ぐるみが猛ダッシュでこちらに向かってきていた。

 

いや、着ぐるみか〜〜〜〜い!!!!!

めちゃくちゃシュールだった。

 

というかそんなこと思っている場合ではない。

トラは真っ直ぐに私に向かってきている。このままでは間違いなく私はあのトラに童貞を奪われる。

 

避難誘導の仕方は教わったが、実際に虎に襲われた時の対処など聞いていない。

私はマジでテンパった。どうしよう。トラはもう私から10m程の距離にまで迫っている。

しかし怖い。これを読んでいる皆さんは、トラの着ぐるみに猛ダッシュで追いかけられたことがあるだろうか?

ないなら知っておいた方がいい。めちゃくちゃ怖いぞ。

 

テンパってテンパった私だったが、避難誘導をするという使命感は残っていた。

その結果私の口から出た精一杯のセリフは、

 

「みなさん!!!!トトトト、ト、トラでぇ〜〜〜す!!!!!!!」

 

だった。

 

そんなことは見ればわかる。

バスガイドじゃねえんだから。

 

結果どうすることも出来ず、私は飛びかかってきたトラに組み伏せられた。

トラって寝技使うのかよ。

 

そして私が襲われている間にトラはトラえられ、私という尊い犠牲を1人出し、第1次訓練が一段落した。そして違ったシチュエーションでの訓練を何度か繰り返し、訓練全体が終了した。

 

後で話を聞くと、リアリティを追求するあまりテンションがバグった着ぐるみの人が勢い余って私を襲ってしまったそうだった。

 

次の日から私の2つ名が「被食者」になった。

 

まあ、そんな感じです。

【雑談】都市伝説と化した男

みなさん「都市伝説」というのはご存知ですよね。

口裂け女」とか、「100㌔ババア」とか、「おっぱい丸出し男」とか、そういうやつですね。

まあおっぱい丸出し男は今私が適当に考えたやつですけど。

 

今回は、私が経験したとある都市伝説についての話をしたいと思います。

 

私の通っていた千葉県のO高校はですね、非常に歴史が古い学校で、隣接している文化財のお城の、かつて二の丸があった所に建っているんですよ。だから校舎の窓からは天守閣を間近に望むことができます。

まあそんな環境だからか知りませんが「落ち武者の霊が出る」だとか、「夜、地学室から弓道場を見下ろすと女性が弓を向けてくる」だとか、そんなのがいっぱいあったので、それらをまとめた

「O高校七不思議」

というものが存在したんですよ。

 

んで、ここからが本題です。

私が高校3年生の時、そのO高校七不思議のひとつに遭遇したことがあったんですよ。

 

これは知っている人も多いんじゃないでしょうか。

 

「ペーパーQ」という怪談なんですけど。

 

「ペーパーQってなんぞや?」っていう人に説明をしておきます。

私が高3の春から卒業するまでのおよそ1年間、学校中のすべての男子トイレのトイレットペーパーに、不定期的に奇妙な文章が書き置きされるという事件があったんですよ。

1年生から3年生のトイレから特別棟のトイレまですべてのトイレですよ。それなりの数にはなります。

 

そんなそれなりの数のトイレの、すべてのトイレットペーパーに

 

「汚れちゃったのはどっちだ?世界か、君のお尻か」とか、

 

「宿題忘れた俺には便座すらも冷たい」

とか、割とくだらない文章が、「ペーパーQ」というサインと共に書き連ねてありました。

 

まあそれが一定期間続けば少しは話題になりますよね。私のクラスでも

「ペーパーQって誰だよ?」

「男子トイレにしかないんだから男子だろ」

「1、2年のトイレにもあるらしいぜ」とかザワついていました。

 

そしてここでほくそ笑んでいたのは私です。なぜなら何を隠そう、

 

ペーパーQとは私だったからです。

 

わざわざ毎朝6時半に学校に行って、馬鹿みたいな文章を学校中のトイレ回って書いていたのは私です。

こういう謎の行動力を発揮するのが私という人間なんですよ。

もう〜その時は自分の作った都市伝説がじわじわと広まっていくのがもう楽しくて楽しくて仕方がなかったですね。

 

しかしある日、「その時」はついにやってきました。クラスの男子の1人が

「こんな変なことするの御宿しか居なくね?」

と言い出したんですよ。ヤバい!と思いましたね。

 

前にも言ったかもしれませんが、私は買い物カゴの中の商品を裏返したり、美容室の会話が苦手で自分で髪を切ったりとか、変なところで人目を気にするんですよ。そのくせ意味わからん自撮りの動画とかはSNSに余裕でアップ出来るんですけど。我ながら謎な男です。

 

まあそんな私ですから、もしペーパーQが私だとバレて周囲に好奇の目で見られてしまったら…なんてことを考えたらそれはそれは恐ろしかったですね。

だから「いや〜!受験生がこんなことする訳ないでしょ!」って必死に弁解しました。自分で言ってて悲しくなりましたが。

 

ですがそんな努力も虚しく、突然にして私のペーパーQとしての活動は終わりを告げることになりました。

 

模倣犯が現れたのです

 

私は今まで「だれも傷つけず迷惑もかけないただのくだらない文章」を書くように心がけていました。

しかしある日いつもの様に私が早朝にトイレに行くと、そこには

 

「○○先生ってうざくね?」

 

という文章がありました。

は?おまえ、フルボッコだドン。

私はすぐにそのペーパーを破り別の文章を書き込みましたが、「もうこの活動も限界だな」と感じ、次の日からペーパーに文を書くことをやめました。

まあその後数日は模倣犯による中傷文章が書かれていないか監視だけして、ペーパーQの都市伝説が消えていくのを見守った次第です。

 

節度を知らないロマン皆無のウンコマンの尻拭いをしたせいで(ペーパーQだけに)私の都市伝説活動は台無しにされてしまったわけですが、まあ、O高校七不思議のひとつは俺が作ったんだよ、ってことを言いたかっただけです。完全に忘れられてしまったら都市伝説は死んでしまいますからね。

 

O高校の現役生よ、男子でも女子でもいい、誰か俺の無念を晴らすためにペーパーQを引き継いでくれ。

 

まあ、そんな感じです。